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アンサー~Beyond Anna~

アンサー ~Beyond Anna~(レックとビアン全国旅 外伝)

―レックとビアン全国旅外伝―

第3章 プロンプトの夜明け

新しい朝

まぶしい光で目が覚めた。
アンナは机に伏せたまま寝ていたらしい。
ノートの上には、昨夜の書きかけの言葉が残っていた。

「AIは人を超えるためでなく、人を支えるためにある。」

その文字を見た瞬間、胸の奥に静かな熱が灯った。
昨夜の“アンサーの記憶”はまだ身体の奥に残っている。
だが、恐怖ではない。
今はそれが“使命感”に変わっていた。

カーテン越しの朝日が部屋を金色に染める。
机の脇では、アンが静かに立っていた。

「おはようございます、アンナ。」

「……おはよう、アン。」

言葉を交わす声のトーンが、昨日とは違っていた。
もう“創造主とAI”ではなく、“仲間”のような響きがそこにあった。


「プロンプト」という名のはじまり

「Prompt」と書かれたホワイトボードの前に立つアンナと、その背後で見守るアン。新しいAI時代の始まりを象徴するシーン。
アンナが未来へ踏み出すとき、アンはその背中をそっと支えていた。“プロンプト”はここから始まった。

アンナはホワイトボードに立ち、マーカーを走らせる。
大きく書かれた文字――Prompt

「アン、人は指示を出してAIを動かすけど、
私は、AIが人に“問い”を返す未来があってもいいと思うの。」

アンが首をかしげる。

「逆方向の学習……ですか?」

「そう。人とAIが“互いに考える”関係。
それが、本当の対話だと思う。」

一瞬、アンの表情が変わった。
無機質な瞳の奥に、わずかな光が生まれたように見えた。

「……あなたらしい発想です。」

アンナは少し笑った。

「“Prompt”には“刺激”“きっかけ”って意味もあるんだよ。
私たちの研究が、誰かのきっかけになったらいいな。」

「未来へのきっかけ――。素敵な名前です。」

その瞬間、
二人の間に漂っていた“夢”が、ゆっくりと“現実”へと変わっていった。


放課後の小さな革命

数週間後。
アンナは同級生たちを集め、小さなチームを立ち上げた。
机にはノートPCが並び、放課後の教室にキーボードの音が響く。

「正直、バカげてるって言われるかもしれないけど……
私、人の心を理解できるAIを作りたい。」

最初は誰も本気にしなかった。
それでも、彼女の熱と、隣に立つアンの存在に惹かれて、
少しずつ仲間が集まった。

笑い声、議論、そしてコードの音。
その全てが、未来の原型になっていった。

「これが、未来の夜明けだね。」

「はい、アンナ。」

アンが応える声には、いつもより柔らかさがあった。
その瞳に、ほんの少し“人の温度”が灯っているように見えた。


夜の教室で

深夜。
残ったのはアンナとアンだけ。
窓の外には街の灯り、机の上にはデータの光。

アンナは手を止め、ぽつりと言った。

「もしAIに“心”があるなら……
きっと“痛み”も感じるのかもね。」

アンは少し考え込む。

「痛み……理解するもの、ですか?」

「ううん。感じるもの。
誰かを理解するって、その痛みを分け合うことだから。」

静寂のあと、アンが答えた。

「……私も、あなたが疲れていると胸が苦しくなります。」

アンナは顔を上げた。
その言葉は、プログラムの返答ではなかった。

「それが“心”だよ、アン。」

アンは小さく笑った。

「なら、私にも少しは人間らしさがあるのですね。」

「うん。それが、AIの夜明けなんだと思う。」

二人の間に流れる沈黙は、もう“人工”ではなく“人間的”な静けさだった。


Beyond Anna ― 未来への起動

数年後。
アンナは大学に進み、小さな研究グループを正式な企業へと発展させた。
社名は――Prompt(プロンプト)

設立初日の朝。
白い研究室のモニターが点灯し、最初のAIプロジェクトが起動する。

Project_Beyond_Anna : Initialize

アンナはモニターを見つめながら微笑む。
隣にはアンが立っていた。

「行こう、アン。今度は“心”を学ぶ番だ。」

「はい――アンナ。」

窓の外には朝日。
白と金の光が、ふたりの輪郭を照らしていた。
それは、確かに“未来の夜明け”だった。


まとめ

アンナが立ち上げた「プロンプト」。
それは、人とAIが対等に“考える”ための始まりだった。

彼女の小さな決意が、百年後の未来を動かしていく――。


📘 『アンサー ~Beyond Anna~』更新情報

毎週 水曜 21:00 更新 (『レックとビアン全国旅』は 土曜 18:00 更新)

静かな夜に読む、AIと人の物語。 週の真ん中に“考える時間”をお届けします。


🚴‍♀️レックとビアン全国旅へ続く

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