スカイロード

3大スカイロード制覇編 第3話「桜風のつくば霞ヶ浦」

春爛漫、舞い散る桜の花びらに包まれながら走る二人。未来的なナビ画面が浮かぶ、SFと日本の四季が融合したサイクリング風景。1. 春を待つ最後の舞台 ビワイチ、しまなみを制覇し、残るはスカイロードつくば霞ヶ浦。 霞ヶ浦を一周する全長90キロの環...
スカイロード

3大スカイロード制覇編 第2話「潮風のしまなみ」

2125年、瀬戸内海の空を結ぶスカイロードしまなみ。潮風と橋の連なり、夕陽と夜景が織りなす絶景を、アリスとアリーが駆け抜ける近未来サイクリング物語。
スカイロード

3大スカイロード制覇編 第1話「月光のビワイチ」

2125年、日本の空に築かれた三大スカイロード。第一の舞台は夜のスカイロードビワイチ。月光と湖面が織りなす幻想的なナイトライドを、アリスとアリーが駆け抜ける。
創作SFノベル

鋼の旅人:世界を駆けるロボット「ユノ」ー⑩

第10話 北極圏・オーロラの下 氷原に立つ者「孤独の氷原に立つユノ」「沈黙の世界に、最後の旅人は足跡を刻む。」北極圏の風は、硬質な刃のように空気を削りながら走り、雪はそれに従う微粒子となって氷原の表面を擦りガラスのように磨いていた。ユノは仮...
創作SFノベル

鋼の旅人:世界を駆けるロボット「ユノ」ー⑨

風が奏でる旋律の中で、ユノは“涙”を知った。第9話 ― ユーラシア・風の渓谷 ―風が歌っていた。それは音でも声でもなく、大地の深奥から湧き上がるような“うねり”だった。ユーラシア大陸の内陸部に広がる「風の渓谷」は、かつて文明と文明が交差した...
創作SFノベル

鋼の旅人:世界を駆けるロボット「ユノ」第8話

地底図書館——記憶の海に触れてプロローグ月明かりすら届かない、地表(ティアンシャン山脈)からはるか地下。幾重もの崩落した岩壁を抜け、ユノは長い螺旋状の通路を降り続けていた。サイクルコンピュータの数値は、すでに海抜マイナス600メートル。耳に...
創作SFノベル

鋼の旅人:世界を駆けるロボット「ユノ」第7話

雷鳴の谷、記憶の断層─記憶は過去の亡霊ではなく、未来の魂である。プロローグ:変わりゆく地球の息吹世界は、刻一刻とその姿を変えていく。人がいなくなった今も、大地は呼吸し、空は怒り、風は歴史を語っていた。中央アジア──かつてユーラシアの十字路と...
創作SFノベル

鋼の旅人:世界を駆けるロボット「ユノ」第6話

静かなる月の遺構にてⅠ.重力のない静寂の地重力が、少しだけ軽い。ユノはゆっくりと足を前に出した。その動きは慎重でありながら、まるで訓練された宇宙飛行士のように正確で、ブーツが接地するたびに、細かな月の砂がふわりと舞い上がる。ここは月面基地―...
創作SFノベル

鋼の旅人:世界を駆けるロボット「ユノ」第5話

氷の大地で、心が静かに燃えるプロローグフランツ・ヨーゼフ諸島。世界のすべてが、ただ白に覆われていた。雲ひとつない空に、極北の太陽が低く輝く。光は氷原全体に反射し、無数の粒子のように揺らめいている。風が吹けば、雪の結晶はきらめきをまとい、一瞬...
創作SFノベル

鋼の旅人:世界を駆けるロボット「ユノ」第4話

記憶の街、眠る技術プロローグ灰色の空が低く垂れ込め、風が冷たく頬を打つ。ユノがロードバイクを駆けて辿り着いたのは、かつて“世界の頭脳”と呼ばれた超都市――「東京」の残骸だった。都市の輪郭はまだそこにある。だが、ビル群は静かに崩れ落ち、ガラス...