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タイムサイクル 第2話 昭和下町フルスロットル!消えた紙芝居の謎

サイクリングストーリー

夕方のサンセット。

アキは店の隅に置かれた古い木箱を見つけた。

「ユウさん、これ何?」

箱の中には色あせた紙芝居が入っている。

ヒロが一枚取り出した。

「へえ……昭和の紙芝居か。」

すると紙芝居の裏に古いメモが挟まっていた。

『明日の公演までに見つけてくれ』

「何これ?」

アキの目が輝く。

「面白そう!」

ヒロは嫌な予感しかしなかった。

「またそういう顔してる。」

ユウはコーヒーカップを磨きながら言った。

「その紙芝居には少し不思議な話があってね。」

「行くしかないじゃん!」

「まだ何も聞いてない!」


数分後。

二人はタイムサイクルにまたがっていた。

光のトンネルを抜ける。

風景が一変した。


商店街だった。

木造の店。

走り回る子どもたち。

自転車のベル。

夕飯の匂い。

「うわぁ!」

アキが歓声を上げる。

「昭和だ!」

「かなり活気あるな。」

商店街の広場では紙芝居屋が準備をしていた。

しかし様子がおかしい。

何度も荷物を確認している。

「どうしたんだろう。」

アキはすぐ近寄った。


紙芝居屋のおじさんは困った顔をしていた。

「大事な最後の一枚がなくなっちまってな。」

「最後の一枚?」

「これがないと話が終われないんだ。」

周りの子どもたちも不安そうだった。

「犯人とかいるの?」

アキが聞く。

「いや、朝まではあったんだ。」

ヒロが周囲を見回した。

「誰かが持っていったのかな。」


二人は聞き込みを始めた。

八百屋。

魚屋。

駄菓子屋。

すると一人の少年の話が出てきた。

「タケルなら紙芝居を持って歩いてたぞ。」


二人は商店街を飛び出した。

「いた!」

川沿いの土手。

少年が一人座っていた。

紙芝居を抱えている。

「返してあげなよ。」

アキが声をかける。

少年は首を振った。

「嫌だ。」


話を聞くと理由があった。

少年の父親は遠くへ働きに出ていた。

帰ってくる約束の日を過ぎても帰らない。

毎日寂しかった。

紙芝居の主人公が父親に似ていた。

だから最後の一枚だけ持ち帰ってしまったのだ。

「返したら終わっちゃうから。」

少年は小さく言った。


アキは黙った。

ヒロも言葉を探す。

するとヒロが気づいた。

遠くから自転車のベルが聞こえる。

郵便配達員だった。

「もしかして!」

ヒロは配達員を追いかけた。

アキも続く。

二台の自転車が昭和の町を駆け抜ける。


「すみません!」

ヒロが呼び止める。

配達員は手紙を確認した。

「この家なら今日届く予定だよ。」

差出人を見る。

働きに出ている父親だった。


二人は全力で土手へ戻った。

「タケル!」

ヒロが封筒を差し出す。

少年は震える手で開いた。

『仕事が終わった。来週帰る。』

短い手紙だった。

でも十分だった。

少年の顔に笑顔が戻る。

「……帰ってくる。」


その夜。

紙芝居は無事に始まった。

商店街の子どもたちは大盛り上がり。

最後の一枚がめくられる。

大きな拍手が起こった。

タケルも一番前で笑っていた。


帰り際。

紙芝居屋のおじさんが頭を下げた。

「ありがとうな。」

「主役はタケルだよ。」

ヒロが言う。

アキも笑った。

「うん!」


光のトンネルを抜ける。

サンセットへ帰還。

ユウが迎えてくれた。

「どうだった?」

「最高!」

アキは即答した。

「昭和って面白い!」

「事件もあったけどな。」

ヒロがため息をつく。

するとアキが紙芝居を取り出した。

「そうだ!私も紙芝居屋やる!」

「やめろ。」

「第一話!」

「やめろ。」

「主人公アキ!」

「やめろ!」

ユウは静かに笑った。

「次の時代でも同じことを言っていそうだね。」

サンセットには三人の笑い声が響いていた。


次回予告

アキが見つけたのは、一枚の古い海図。

そこに描かれていたのは――存在しない島?

次回、

「江戸の海へ!幻の宝島を追え!」

タイムサイクル、出発!

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