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タイムサイクル 第3話 江戸の海へ!幻の宝島を追え!

サイクリングストーリー

放課後。

アキとヒロはいつものようにサンセットを訪れていた。

「こんにちはー!」

店の奥ではユウが一枚の古びた地図を広げている。

「何それ?」

アキが身を乗り出した。

地図には海と島が描かれている。

その端には大きく赤い印。

まるで宝のありかを示しているようだった。

「江戸時代の地図らしい」

ユウが言った。

「らしい?」

「本物かどうか分からないからね」

アキの目がキラリと光る。

「宝島だ!」

「まだ決まってないから」

ヒロが即座にツッコむ。

しかしアキは聞いていない。

「よし、行こう!」

「だから早いって!」

ユウは苦笑した。

「まあ、確かめる価値はあるかもしれない」

その一言で決まりだった。


タイムサイクルが青白く輝く。

景色がゆがみ、風が渦を巻いた。

次の瞬間。

二人は海辺に立っていた。

「うわあ!」

アキが歓声を上げる。

目の前には無数の和船。

活気ある港。

遠くには江戸の町並みが広がっている。

「本当に江戸時代だ」

ヒロも周囲を見回した。

その時だった。

近くで少年の声が聞こえた。

「父ちゃん……」

不安そうな表情で海を見つめている。

アキはすぐに駆け寄った。

「どうしたの?」

少年は新吉と名乗った。

父親は漁師。

数日前、宝島の噂を聞き、仲間たちと沖へ向かったまま帰ってこないらしい。

「みんな、そんな島ないって笑うんだ」

新吉はうつむいた。

アキは力強く言った。

「じゃあ探そう!」

「待って。本当に危険かもしれないよ」

ヒロが言う。

「だから助けるんでしょ!」

結局、ヒロも反対しきれなかった。


港で聞き込みをすると、一人の船頭が教えてくれた。

「沖の霧島かもしれねぇな」

「霧島?」

「深い霧に包まれる島だ。船乗りは近づかねぇ」

ヒロが地図を見る。

「この位置だ」

「行こう!」

アキはタイムサイクルに飛び乗った。

「まさか海を走る気?」

「もちろん!」

アキがボタンを押す。

ブォン――。

タイヤの周囲に淡い光の輪が広がった。

タイムサイクルのバリアシステムだ。

二台はそのまま海へ飛び出す。

ザァッ!

しかし沈まない。

水面の上を滑るように走り始めた。

「何度見てもすごいな……」

ヒロが苦笑する。

「最高ー!」

アキは大喜びだった。


しばらく進むと海一面が霧に包まれた。

視界は数メートル。

波の音だけが響く。

「前が見えない!」

ヒロが叫ぶ。

その時。

ドン!

大きな音が響いた。

「今の何!?」

霧の向こうに黒い影が見える。

岩礁だった。

さらに次々と現れる。

「まずい!」

ヒロが地図を見る。

「この辺り全部が岩場なんだ!」

アキはハンドルを切る。

右へ。

左へ。

水しぶきを上げながら岩を避ける。

まるで海上アスレチックだった。

そして霧の向こうに島が現れた。

「あった!」


島へ上陸すると、人の声が聞こえた。

「おーい!」

新吉の父親たちだった。

船が岩に乗り上げて動けなくなっていたのだ。

「助けに来たよ!」

「子ども!?」

漁師たちが驚く。

しかし状況は深刻だった。

潮が満ち始めている。

このままでは船が転覆する。

ヒロが周囲を見回した。

「アキ!」

「ん?」

「船を引っ張れるかもしれない!」

島の岩場には太いロープが残されていた。

アキはニヤリと笑う。

「なるほど!」

ロープを船に結ぶ。

反対側を二台のタイムサイクルへ固定。

「いくよ!」

「せーの!」

二人は全力でペダルを踏み込んだ。

ギギギギギッ!

船が少し動く。

「もう一回!」

さらに加速。

海面を蹴るように疾走する。

そして――

ゴゴッ!

船が岩から外れた。

「やったー!」

歓声が響いた。

漁師たちも飛び上がって喜ぶ。


帰り道。

新吉は満面の笑みだった。

「ありがとう!」

父親も深く頭を下げる。

「宝なんか探しに行った俺たちが馬鹿だったな」

するとヒロが笑った。

「でも宝はありましたよ」

「え?」

「新吉くんにとっては、お父さんが帰ってきたことです」

新吉は少し照れながらうなずいた。

父親は大笑いした。

「確かにな!」

夕日が海を赤く染めていた。


サンセットへ戻る。

ユウが静かに迎えた。

「どうだった?」

「宝島だった!」

アキが胸を張る。

「宝は?」

「なかった!」

「なかったのか」

ヒロが即座にツッコむ。

するとアキが笑った。

「でも海の上を全力で走れた!」

「目的変わってるよ」

ユウは苦笑した。

「君らしいね」

アキはもう次の冒険を探している。

その横でヒロはため息をついた。

「次はせめて陸地だけにしてほしい……」

だがその願いが叶うことは、たぶんなかった。


次回予告

江戸の海での冒険を終えたアキとヒロ。

サンセットへ戻った二人の前に現れたのは、一枚の古い駅弁の包み紙と色あせた時刻表だった。

『この列車を止めるな』

謎めいた言葉に導かれた二人が向かったのは、蒸気機関車が走る明治時代。

ところが、開通記念列車に積まれるはずだった大切な荷物が忽然と消えていた――。

消えた荷物の行方は?

そして、列車に託された少女の願いとは?

次回、

「明治エクスプレス大追跡!」

タイムサイクル、出発!

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