アキとヒロのタイムトラベルアドベンチャーへようこそ!
本シリーズ『タイムサイクル』では、ロードバイクで時空を旅する姉弟が、過去・未来・異世界を駆け巡ります。
第3話では、引き続き昭和の下町を舞台にした物語が展開します。
それでは本編をどうぞ!

「すれ違う記憶」
アキとヒロは、ヒロシの手伝いで何度か町を訪れていた。
タイムサイクルの一時的な待機モードを利用し、何日かを同じ時代で過ごせるように設定していたのだ。もちろん過度な干渉は避けていたが、それでもヒロシとの交流は、2人にとって特別な時間となっていた。
ある日の夕暮れ。神社の裏にある小さな作業場で、ヒロがヒロシと並んで工具を手にしていた。
「ここは、ナットを押さえてから回す。強く締めすぎないでな」
「うん……わかった」
ヒロはいつになく真剣だった。手を汚しながら、古いママチャリを分解し、再び組み立てる。その様子をアキが少し離れた場所から見守る。
「ヒロ、あんな顔するんだ……」
アキはふと、幼い頃のヒロと祖父とのやりとりを思い出した。祖父が釣り竿の使い方を教えてくれた日。ヒロが言葉少なにうなずきながら、真剣に耳を傾けていた姿がよみがえる。

似ている。やっぱり、ヒロシはおじいちゃんみたいだ。
でも、アキは同時に、心の奥で気づき始めてもいた。
名前も同じ。顔も似ている。でも、辻褄が合わない。時代も、生きてきた背景も、ほんの少しずつ違っていた。
「……きっと、別人なんだよね」
アキは小さくつぶやいた。
それでも、不思議と寂しさはなかった。血がつながっていなくても、何か心に響くものがある──それだけで、十分だと思えた。
その日の夜。ふたりは縁側に座って、ヒロシとスイカを食べていた。どこからか流れてくるラジオの音が、静かな空気に溶けている。
「ヒロ、お前、いい目してるな」
「……え? あ、ありがとう」
ヒロは照れくさそうに笑う。その表情に、ヒロシもまた目を細めた。
「将来、何か作る仕事につきたいんだろ? 手先、器用だし」
「うん。……わかる?」
「なんとなくな。俺も機械、好きだったしな」
そのやりとりを、アキはそっと見守っていた。
翌朝、タイムサイクルのディスプレイに新たな座標が表示される。そろそろ時間の限界が近づいていた。
出発のとき。
「そっか、もう行くんだな」
ヒロシが笑って手を差し出す。ヒロは迷わず、その手をしっかり握った。
「ありがとう……楽しかった。すごく、いろいろ教えてくれて」
「おう。また来いよ」
「……うん。またね」
──たとえそれが、祖父じゃなくても。
ヒロの胸の奥には、ヒロシとの記憶が、確かに刻まれていた。
アキとヒロは再びタイムサイクルにまたがる。走り出すと、ヒロがぽつりとつぶやいた。
「ねぇアキ……やっぱり、あの人は、じいちゃんじゃないんだよね」
「うん。でも……あれでよかったんだと思う」
ヒロはしばらく黙って、遠ざかる昭和の町並みを見ていた。
「会えてよかった。おじいちゃんじゃなくても、俺……うれしかった」
そしてふたりは、風を切りながら、次の時代へと走り出す。
次回は未来の世界へタイムジャンプ!
果たしてアキとヒロは無事に進めるのか…?
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📢次回予告:『未来の自分』
アキとヒロが次に向かったのは、未来の世界。そこには、思いもよらぬ出会いと、新たな試練が待っていた――。
次回「未来の自分」、お楽しみに!
#タイムサイクル #次回予告 #タイムトラベル
※この物語はフィクションです。AI(ChatGPT)の支援をもとに執筆・編集されています。