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スカイロード番外編:逆さまの空

サイクリングストーリー

いつもと違う空の旅

青いレールは、緑豊かな山々の間を気持ちよく伸びていた。

眼下には湖が広がり、遠くには白い雲をまとった山並みが見える。

スカイロードがホログラムで再現した、現代の日本の美しい風景だ。

アリスは風を受けながら、軽快にペダルを踏んでいた。

「いやあ、今日もいい景色だな!」

後ろを走るアリーも、周囲の風景を眺めながらうなずいた。

「空気まで気持ちよく感じるわね。ホログラムだって分かっていても、不思議なものね」

そのときだった。

アリスが、ふと空を見上げた。

「……ん?」

青空の上に、何かが見える。

緑の森。

山々。

そして、湖。

それらがすべて、上下逆さまになって空に広がっていた。

「おい、アリー! あれ、何だ?」

アリーも顔を上げた。

頭上には、まるで空にもう一つの日本が現れたかのような光景が広がっている。

山の頂は下を向き、湖は空に浮かび、雲は逆さまの森の間をゆっくり流れていた。

「……ホログラムの表示がおかしくなってるみたい」

アリーは端末を確認した。

「景観データの上下が反転しているのかも。でも、制御はスカイロード側だから、私たちにはどうすることもできないわね」

「へえ。こんなこともあるんだな」

アリスは驚いた表情のまま、頭上の景色を眺めた。

いつもなら遠くに見える山々が、今は空の向こうに広がっている。

その不思議な光景は、怖いというよりも、どこか夢の中を走っているようだった。

「なあ、アリー。これ、けっこう面白くないか?」

「面白いけど……走りながら、ずっと上を見ていると危ないわよ」

「分かってるって!」

そう答えながらも、アリスは何度も空を見上げていた。

逆さまの絶景を楽しんで

青いレールは、山あいを抜けて湖の近くへと続いていく。

頭上には、逆さまの湖が広がっていた。

水面に映るはずの雲が、そのまま空に浮かんでいる。

まるで空と水の境目がなくなったような、不思議な景色だった。

「すげえな……。空に湖があるぞ」

アリスは思わず笑みを浮かべた。

「普段の景色もいいけど、こういうのも悪くないな!」

「そうね。二度と見られないかもしれないし」

アリーも、しばらく頭上の風景を眺めていた。

二人はそのまま、青いレールを走り続けた。

やがて道は緩やかなカーブを描き、山々の間を抜けていく。

アリスは次に現れる景色を楽しみにしながら、前を向いた。

そして、しばらく走ったあと。

「……あれ?」

アリーが空を見上げた。

逆さまだった山々が、いつの間にか元の位置に戻っていた。

頭上には、いつもの青空が広がっている。

湖は眼下に戻り、山々は地平線の向こうへと連なっていた。

「直ったみたいね」

アリーの言葉に、アリスも空を見上げた。

「……なんだ、戻っちまったのか」

少し残念そうな声だった。

「普通に戻って安心したんじゃないの?」

「いや、せっかく面白い景色だったのになあ」

アリスは笑いながら、もう一度だけ空を見上げた。

もちろん、そこには何もない。

ただ、どこまでも澄んだ青空が広がっているだけだった。

「まあ、あんな景色を見られただけでも得した気分だな!」

「そうね。スカイロードからの、ちょっとしたサプライズだったのかも」

「だったら、次はどんな景色が待ってるんだろうな!」

アリスは前を向き、ペダルを踏み込んだ。

青いレールは、爽やかな風の中をどこまでも伸びていく。

いつもの景色もいい。

けれど、思いがけない景色に出会えるからこそ、旅は面白い。

二人は笑顔で、次の風景へと走り出した。

🌤 スカイロード公式設定

『スカイロード』は、西暦2125年を舞台にした未来SFサイクリングストーリーです。作品に登場する未来技術や世界観、登場人物などを「公式設定ページ」にまとめています。物語をもっと楽しみたい方は、ぜひご覧ください。

▶ スカイロード公式設定ページ

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