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タイムサイクル 第4話

タイムサイクル

アキとヒロのタイムトラベルアドベンチャーへようこそ!

本シリーズ『タイムサイクル』では、ロードバイクで時空を旅する姉弟が、過去・未来・異世界を駆け巡ります。

第4話では、未来の世界を舞台にした物語が展開します。

それでは本編をどうぞ!

「未来の自分」

プロローグ

次にアキとヒロがタイムサイクルで辿り着いたのは、“未来の未来”だった。

 見上げるほど高いガラスの超高層ビルが、空を切り裂くように林立している。昼の光を反射して眩しく輝き、その間を無数のホログラム広告が浮かび上がっては消えた。空中には大小さまざまなドローンが音もなく飛び交い、光の矢のように瞬く。

 地上には無人の電気バスが規則正しく滑るように走り、空中には透明なレールを走る列車が行き交っていた。道路脇には整然とした自転車専用レーンがあり、そこを駆け抜けていくのは、流線形のフレームに光沢を帯びた未来型ロードバイク。どのライダーも、体とバイクが一体化したかのようにしなやかで、風を切る姿はまるで都市の一部であるかのように美しかった。

「うわあ……すごい……」
「これ、本当に同じ世界……!?」

 アキとヒロは、あまりの進化に目を奪われていた。目の前に広がるのは、彼らの知る時代をはるかに超えた文明の光景。けれど、なぜか不思議な静けさが漂っている。

 そのとき、ヒロの視線が前方で立ち止まる人物に吸い寄せられた。

 ――どこか、見覚えのある顔。

 スーツに身を包み、背筋をぴんと伸ばして立つ青年。落ち着いた佇まい。少し影を帯びた静かな目。

 ヒロはハッと息をのんだ。
「え……これ、オレ……?」
「えっ!? 未来のヒロ!?」

 青年はゆっくりと振り向き、二人に優しく微笑みかけた。

「ようこそ、遠い未来へ。君たちがここへ来ることは……なんとなく予感していた」

 ――未来のヒロ。

 アキとヒロは言葉を失ったまま、その姿を見つめていた。確かに、面影はヒロと同じだ。だが声は落ち着き、視線は深く、まるで多くを経験してきた者だけが持つ静けさを湛えていた。

 未来のヒロは歩み寄り、静かに語りはじめた。

「僕がどんな道を歩んできたのか、少し話そうか」

未来のヒロの記憶

 

未来のヒロは、語った。
 進学を目指したが思うようにいかず、挫折した日。自分を見失い、何をやっても成果が出ずに悩み続けた時期。仲間と衝突し、孤独に耐えられず逃げ出した夜。

 けれど、そこからまた立ち上がり、新しい人々と出会い、少しずつ信頼を築いていった。失敗を積み重ねながらも、自分の足で歩くことをあきらめなかった。

「……正直、何度も『もう無理だ』と思ったよ。でも、不思議とね、出会った仲間や小さな成功が、僕をもう一度立たせてくれたんだ」

 アキが問いかけた。
「後悔したことは、あった?」

「もちろん」
 未来のヒロは即答した。
「後悔だらけだった。でも、それも全部、意味のあることだった。選択のひとつひとつが僕を形づくり、いまの僕に繋がっている。だから――いまを大切に」

 その言葉に、ヒロは小さく唇を噛んだ。迷いを抱えていた自分の胸に、その言葉が深く響いたのだ。

自分を信じる一歩

「……僕、これから少しだけ、自分のことを信じてみる」

 ヒロは、震える声で言った。未来の自分の姿を見て、心の奥に灯がともったのを感じた。

 未来のヒロはゆっくりとうなずき、微笑んだ。
「それで十分さ。その一歩が、君をどんな未来へでも連れていってくれる」

 未来のヒロの表情には、どこか寂しさも混じっていた。まるで、この再会が奇跡の一瞬にすぎないことを知っているかのように。

「じゃあ、元の時代に帰るといい」

別れ

 アキとヒロはタイムサイクルにまたがった。未来都市の光景が一瞬ゆらぎ、ホログラム広告が波のように揺れる。ドローンの羽音が遠ざかり、風が逆流する。

「また会おう」
 未来のヒロは、わずかに震える声で言った。
「今度は“君たちの未来”で」

 光の粒子が舞い上がり、二人の姿は時空の渦へと吸い込まれていった。

 残された未来のヒロは、ひとり静かにその背中を見送った。胸の奥に熱いものがこみ上げる。若き日の自分に、少しでも希望を渡せただろうか――。

 都市のざわめきが戻り、ホログラムが再び鮮やかに瞬く中、未来のヒロは目を閉じ、深く息を吐いた。

「大丈夫さ。君たちなら、きっと……」

 そうつぶやいたその顔には、再び穏やかな微笑みが浮かんでいた。

次回は未来の海底都市へタイムジャンプ!

果たしてアキとヒロは無事に進めるのか…?

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📢次回予告

アキとヒロが次に向かったのは、未来の海底都市。そこには、思いもよらぬ出会いと、新たな試練が待っていた――。

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#タイムサイクル #次回予告 #タイムトラベル

※この物語はフィクションです。AI(ChatGPT)の支援をもとに執筆・編集されています。

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