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タイムサイクル 第6話 空を見上げた少年

サイクリングストーリー

サンセットの午後。

アキは店の棚に飾られた古い雑誌を見つけた。

「ねえヒロ!これ見て!」

表紙には大きく飛行機の写真が載っている。

『大飛行大会開催』

「へえ、大正時代の記事だ」

ヒロが雑誌を手に取る。

「この頃は飛行機がまだ珍しかった時代なんだよ」

「空を飛ぶなんて最高じゃん!」

アキの目が輝いた。

嫌な予感しかしない。

ヒロはため息をつく。

「まさか」

「よし、行こう!」

「やっぱり!」


青白い光が広がる。

次の瞬間、二人は大正時代の町に立っていた。

石畳の道路。

路面電車。

洋服姿の人々。

和服と洋装が混ざり合う不思議な風景だった。

「おおー!」

アキが辺りを見回す。

「なんかオシャレ!」

「大正時代だからね」

ヒロが答える。

すると遠くから歓声が聞こえた。

飛行大会の会場だ。

二人は急いで向かった。


広場には大勢の人が集まっていた。

だが会場の隅で、一人の少年がうつむいている。

「どうしたの?」

アキが声をかけた。

少年は驚いて顔を上げる。

「僕、飛行機を作っている先生のお手伝いをしてるんです」

「すごい!」

「でも……」

少年は青ざめていた。

「飛行機の設計図をなくしてしまいました」

「ええっ!?」

「風で飛ばされてしまって……」

今にも泣き出しそうだ。

「先生にはまだ言えてません」

ヒロが周囲を見回した。

すると遠くの坂道に紙が舞っているのが見えた。

「あれじゃない?」

少年が顔を上げる。

「それです!」

「よし、追いかけよう!」


三人は設計図を追いかけた。

紙は風に乗って町中を飛んでいく。

アキはすぐにタイムサイクルへ飛び乗った。

「君、後ろ!」

「えっ?」

「急がないと見失う!」

少年は慌てて後ろへ乗る。

「しっかりつかまって!」

「は、はい!」

ヒロも自転車にまたがった。

「アキ!飛ばしすぎるなよ!」

「行くよー!」

タイムサイクルは石畳の道を駆け出した。

坂道を上る。

細い路地を抜ける。

設計図は風にあおられ、丘の方へ飛ばされていく。


タイムサイクルは一気に坂を駆け上がった。

風を切る。

丘の上が近づく。

「あった!」

設計図が一本の木に引っかかっていた。

だが高い。

手が届かない。

アキがジャンプする。

届かない。

「ヒロ!」

「任せて!」

ヒロは自転車を横付けした。

「踏み台!」

「ナイス!」

アキはヒロの自転車に飛び乗る。

さらに体を伸ばした。

パシッ!

設計図をつかむ。

「やったー!」

少年の顔がぱっと明るくなった。


三人は飛行大会の会場へ戻った。

開発者の男性は心配そうに待っていた。

「先生!」

少年が設計図を差し出す。

男性は目を丸くした。

「見つかったのか!」

「ごめんなさい!」

少年は深く頭を下げた。

しかし男性は笑った。

「無事ならそれでいい」

少年は驚く。

「失敗したら次に生かせばいいんだ」

その言葉に少年は大きくうなずいた。

その時だった。

会場から歓声が上がる。

飛行機が滑走を始めた。

ゆっくり。

少しずつ。

そして――。

ふわり。

機体が空へ浮かび上がった。

「飛んだ!」

少年が目を輝かせる。

「いつか僕も空を飛ぶ機械を作りたい!」

アキは満面の笑みで言った。

「絶対できる!」

青空の中を飛ぶ飛行機は、小さいけれど確かに未来へ向かっていた。


サンセットへ戻ると、ユウがコーヒーを飲んでいた。

「おかえり」

「ただいま!」

「今度は何を追いかけてきたんだ?」

「設計図!」

アキが元気よく答える。

「飛行機のね」

ヒロが補足した。

ユウは少し笑った。

「空への憧れは、いつの時代も変わらない」

「ねえユウ!」

アキが身を乗り出した。

「次は宇宙時代に行こうよ!」

「やめて」

ヒロが即答する。

「絶対トラブルになる」

「えー!」

ユウは苦笑した。

「その前に宿題は終わったのか?」

二人は固まる。

「……忘れてた」

「だから言ったのに!」

サンセットにヒロのツッコミが響いた。

次回予告

サンセットで見つけた一枚のレースポスター。

そこに描かれていたのは――西部開拓時代の大横断レース。

「西部劇だ!」

大興奮のアキ。

しかし到着した西部の町では、翌日に開催される大レースの優勝トロフィーが突然消えてしまっていた。

乾いた荒野。

馬が駆ける土の道。

そして迫りくる巨大な砂嵐。

消えたトロフィーはいったいどこへ?

第7話

「西部の町で大さわぎ!」

お楽しみに!

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