アキとヒロのタイムトラベルアドベンチャーへようこそ!
本シリーズ『タイムサイクル』では、ロードバイクで時空を旅する姉弟が、過去・未来・異世界を駆け巡ります。
第7話では、パラレルワールドに迷い込んだ2人が、もうひとりの自分に遭遇します。
それでは本編をどうぞ!

「……ん? ここ、どこ?」
淡い光に包まれながら、アキとヒロは不思議な感覚で目を開けた。足元にタイムサイクルはあるが、周囲の景色はどこか見慣れたようで、何かが違う。
目の前には、自分たちが住むはずの街。けれど、建物の配色が少し違う。道路標識も、通貨表示も微妙に異なる。
「なんか、おかしいよね。これって……もしかして」
「……パラレルワールド?」
目の前に現れたのは、まるで自分たちを映した鏡のような、もう一人のアキとヒロだった。
驚きのあまり言葉を失う二人。その“もう一組の姉弟”は、少しだけ表情が硬く、どこか生真面目な雰囲気をまとっていた。
別のアキは、科学アカデミーの研究員。
ヒロはトップクラスの成績を誇る秀才。
2人はタイムサイクルの研究チームに所属し、時空理論を日々解析しているという。
「君たちは……“分岐した世界”の自分たちなんだね」
話し合ううちに、ふたりの世界が“とある分岐点”で枝分かれしたことがわかってきた。
それは数年前、「自転車で冒険するか、それとも学問に集中するか」――たった一度の選択。
「もし、あのとき私が……」
アキは口を閉じた。
今、自分たちがいる世界は、正しかったのか?
「もう一つの人生も、楽しそうだな」
ヒロがぽつりと呟いた。
別のヒロは言う。
「けれど、僕たちは君たちみたいに、風を切って走ったことはない」
一瞬の沈黙。そして、お互いに微笑み合った。
そのとき、タイムサイクルのディスプレイが赤く点滅する。
《警告:タイムパラドックス発生中》
「やばい……同じ時間・空間に、同一存在が長くいすぎると――」
時空がざわめき始め、周囲の空気が揺らぎ出す。
時間が崩れ始めている。
「もう戻らないと! でも最後に──」
アキとヒロは、それぞれの“もう一人”と握手を交わした。
「また、どこかの時間で」
「元気でな!」
バリアのような光に包まれながら、アキとヒロはタイムサイクルに飛び乗った。
分かれ道のように世界が二手に割れ、その中心を彼らは走り抜けていく。
帰り道の途中、ヒロがぼそりと呟いた。
「いろんな選択肢があるけど、今の自分たち、けっこう悪くないかもな」
「うん、私は今のこの旅、すごく好き」
ふたりの心に浮かんでいたのは、“もしも”ではない、“いま”を大切にする気持ちだった。
タイムサイクルのギアが、また一段と未来へ向けて回り始める――。
📢次回予告:
タイムサイクルでの次の着地は、アキにとって予想外の展開となった。
隣にいたはずのヒロが、どこにもいない。
まさか、時空のねじれ?
タイムサイクルに搭載された過去ログを調べると、驚くべき事実が浮かび上がった。
次回第8話『消えたヒロ』をお楽しみに!
前の記事はこちらからまとめて読めます → https://cycling-storyz.com/timecycle-link/
※この物語はフィクションです。AI(ChatGPT)の支援をもとに執筆・編集されています。