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タイムサイクル 第9話 100年前の世界へ!

サイクリングストーリー

休日の午後。

アキとヒロはサンセットに来ていた。

テーブルの上には古いパンフレットが広げられている。

「なにこれ?」

アキが手に取った。

「2025年の万博だ。」

ユウが答える。

「万博?」

「世界中の人や技術が集まるイベント。」

ヒロが説明した。

パンフレットには未来的な建物やロボットの写真が並んでいる。

「へえ!」

アキの目が輝いた。

「未来を紹介するイベントか!」

「そういう展示も多かったらしい。」

アキは勢いよく立ち上がった。

「未来人の私たちが見に行ったら面白そうじゃない?」

ヒロが嫌な予感を覚える。

「まさか。」

「行こう!」

「だと思った。」

ユウは苦笑した。

「今回は人が多い場所だ。」

「?」

「タイムバリアを忘れるな。」

「タイムバリア?」

「走行中、周囲の人に認識されにくくなる機能だ。」

ヒロが驚く。

「そんな機能あったの?」

「説明してなかっただけだ。」

「説明してよ!」


タイムサイクルが青白く輝く。

二人はペダルを踏み込んだ。

景色が流れる。

そして。

次の瞬間。

巨大な建物が視界に飛び込んできた。

「うわあああ!」

アキが歓声を上げる。

2025年。

大阪・関西万博。

色とりどりのパビリオン。

世界各国の旗。

大勢の来場者。

会場全体が活気に満ちていた。

「すごい……。」

ヒロも見入る。

「100年前の世界とは思えないな。」

「行こう!」

アキは駆け出した。


二人は未来技術を紹介するパビリオンへ入った。

大きなスクリーンの前に人だかりができている。

『こんにちは。何をお手伝いしましょうか?』

画面の中のAIが話していた。

アキは驚く。

「しゃべった!」

「AIだよ。」

ヒロが答える。

「この頃はAIが急速に広がり始めた時代なんだ。」

来場者が質問する。

『おすすめの観光地は?』

AIが答える。

会場から拍手が起きた。

アキは腕を組んだ。

「これでみんな驚いてたの?」

「100年前だから。」

「今のAIと比べると可愛いね。」

「比べる相手が未来すぎる。」

二人は笑った。


その時だった。

近くから泣き声が聞こえた。

「うう……。」

小さな男の子が一人で立っている。

アキがしゃがみ込む。

「どうしたの?」

「お母さんとはぐれた……。」

「迷子か。」

ヒロが周囲を見る。

人でいっぱいだ。

簡単には見つからない。

「名前は?」

「リク。」

「最後にどこにいたの?」

「大きいロボットを見るって言ってた。」

ヒロは会場マップを見る。

「ロボット展示エリアだ。」

アキは立ち上がった。

「探そう!」


二人は広い会場を歩き回った。

しかし見つからない。

「人が多すぎる。」

ヒロが額の汗をぬぐう。

その時。

アキが言った。

「タイムサイクル使えないかな?」

「会場の中だぞ?」

「タイムバリアあるんでしょ?」

確かにそうだった。

ヒロは少し考える。

「短時間なら大丈夫か。」


人目の少ない場所でタイムサイクルを呼び出す。

青白い光が走った。

「行くよ!」

アキがペダルを踏む。

タイムバリアが作動する。

近くの来場者が振り向く。

「今、何か通った?」

「風じゃない?」

誰もはっきり認識できない。

タイムサイクルは静かに会場を駆け抜けた。

ヒロは地図を確認する。

「次は東エリア!」

「了解!」

巨大パビリオンの横を通過。

広場を横切る。

そして。

遠くで誰かが叫んだ。

「リクー!」

女性が必死に探している。

「いた!」

アキが声を上げた。


リクを連れて近づく。

「お母さん!」

女性が振り向いた。

「リク!」

母親は駆け寄った。

強く抱きしめる。

「よかった……!」

涙ぐむ母親。

リクも笑顔だった。

「ありがとう!」

「どういたしまして!」

アキも満面の笑みを浮かべた。


夕方。

会場はオレンジ色の光に包まれていた。

二人は広場から景色を眺めていた。

未来を夢見る人たち。

新しい技術。

新しい挑戦。

その全てが輝いて見えた。

「面白かったね。」

アキが言う。

「うん。」

ヒロもうなずく。

「100年前の人たちも未来を楽しみにしてたんだね。」

「その未来の先に私たちがいる。」

アキは少し考えた。

そして笑った。

「なんか嬉しい。」


サンセットへ戻るとユウが待っていた。

「おかえり。」

「ただいま!」

アキが元気よく答える。

「万博はどうだった?」

ユウが聞いた。

アキは即答した。

「最高!」

「展示が?」

「それもだけど。」

アキは胸を張った。

「みんな未来にワクワクしてた!」

ユウは少しだけ微笑んだ。

「それは良かった。」

するとアキが勢いよく立ち上がる。

「よし!」

ヒロが嫌な予感を覚える。

「今度は300年後の万博へ行こう!」

「あるか分からないだろ!」

「500年後!」

「増やすな!」

「1000年後!」

「未来に行きすぎ!」

ユウは苦笑した。

店の奥では、タイムサイクルのギアが静かに回り続けていた。

次回予告

2025年への冒険から数日後。

いつものようにサンセットを訪れたアキとヒロは、タイムサイクルに見慣れないエラー表示が現れるのを目撃する。

【検索範囲外】

その意味を知った二人は大興奮。

しかしユウはなぜか歯切れが悪い。

さらにガレージの奥には、大きな布で隠された謎のマシンが――。

まだ見ぬ時代。
まだ知らない冒険。

そして静かに動き始める新たな計画。

タイムサイクル 第10話

終わらない冒険

次の旅は、もう始まっている。

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