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タイムサイクル 第5話

タイムサイクル

アキとヒロのタイムトラベルアドベンチャーへようこそ!

本シリーズ『タイムサイクル』では、ロードバイクで時空を旅する姉弟が、過去・未来・異世界を駆け巡ります。

第5話では、未来の海底都市を舞台にした物語が展開します。

それでは本編をどうぞ!

海底都市からの脱出

海底に広がる夢の街

 まばゆい光に包まれた次の瞬間、アキとヒロの目の前に広がったのは、息をのむほど幻想的な景色だった。

「……これ、海の中?」

 巨大な透明ドームに覆われた都市。その外側には果てしなく広がる深海の世界が見えた。青い光に満たされた水の中を、魚たちが群れをなして泳ぎ、時おり大きな影が横切る。遠くではクジラが尾びれを打ち、その余波が波紋となってドーム全体に広がっていく。

「すごい……まるで夢の中みたい」
「音がないのに、こんなに生きてる感じがする……」

 アキの瞳は輝き、ヒロは圧倒されたように息を呑んだ。

幻想的な生活の風景

 都市の内部は驚くほど地上に近かった。人々が笑顔で談笑し、通りにはマーケットが並んでいる。違うのは、道路に走るのが電動モビリティと自転車だけということ。排気ガスも騒音もなく、澄んだ空気が満ちていた。

 街路樹の代わりに植えられたのは、光を放つ水草のような装飾。緑と青の光が揺らめき、昼なのに夜の街を歩いているような不思議さがあった。

「ねえ、あの屋台……海藻でできたおにぎり?」
「ほんとだ! 食べてみたいな」

 屋台ではロボットがせわしなく働き、透明なパネル越しに料理を差し出す。子どもたちが笑いながら走り回り、学校帰りのように本を抱えていた。

 アキとヒロはタイムサイクルにまたがり、そんな街並みをゆっくりと走った。路面はペダルに反応してやわらかく光り、進むたびに足元に星のような軌跡が残った。

「うわ、道が光ってる!」
「ここなら毎日走っても飽きないな」

迫り来る異変

 広場に出たときだった。人々が買い物や会話を楽しむ穏やかな光景に、突然低い振動が混ざった。

 ゴゴゴ……と重い音が街全体を震わせ、地面がわずかに揺れる。

「な、何の音……?」

 ヒロが辺りを見回すと、頭上のドームに赤い警告サインが浮かび上がった。

《警告:外部バリアのエネルギー低下を確認。全住民に対し避難指示を発令します》

「バリアが……低下!?」
「ってことは、ドームが壊れるの!?」

 人々の顔から笑顔が消えた。避難誘導ロボットが滑らかな声で指示を出し、赤い光を点滅させながら緊急ゲートへ誘導していく。

崩壊の始まり

 アキとヒロは顔を見合わせ、すぐにペダルを踏み込んだ。

 そのとき、天井に細いヒビが走る。水圧に押されてヒビは音を立てて広がり、冷たい海水がじわじわと滴り落ちてきた。

「ヒロ、タイムサイクルでジャンプして!」
「ダメだ、座標が乱れてる! 安定しない!」

 タイムサイクルのディスプレイには「ERROR」の赤文字。

 さらに大きな振動が都市を揺さぶり、ガラスのようなドームの一部が崩れ落ちた。轟音とともに大量の海水が滝のように流れ込み、通りを押し流す。

「うわああ!」
「急げ、アキ!」

 人々が悲鳴を上げながら走る中、ふたりも必死で避難ルートを探す。

緊急脱出

 

赤いホログラムの矢印が、揺れる街の中で緊急ゲートの方向を指し示していた。

「こっちだ!」

 ようやく辿り着いたのは“水中エレベーター”と刻まれた施設。緊急用の脱出カプセルだ。

 アキとヒロはタイムサイクルごと飛び込み、ドアが閉じると同時にカプセルは急上昇を開始した。

 直後、ドームの大部分が崩壊。轟音とともに濁流が押し寄せ、さっきまで走っていた通りが一瞬で水没した。

「アキ!!」
「だいじょうぶ! ここまで来たら……!」

 エレベーターの外壁が激しくきしみ、水圧に耐えながら上昇していく。青黒い闇の中、ふたりは必死に互いを見つめ合った。

 そして――。

海に沈む未来

 ぱあっと視界が開け、カプセルは水面を突き破った。

 光が差し込み、海風が頬を撫でる。ふたりは大きく息を吸い込んだ。

「……間一髪だったね」
「ほんとだ……」

 タイムサイクルのディスプレイが復旧し、青い光が静かに脈打つ。

 ふたりは海面を見下ろした。青い深みに、まだかすかに街の光が揺らめいている。

「きれいな街だったのに……なんでバリアが壊れたんだろう」
「未来って、どんなに進んでも完璧じゃないんだな」

 アキがつぶやくと、ヒロはしっかりと前を向いた。

「だからこそ、自分で考えて動かなきゃいけないんだ」

 ふたりは空を仰ぎ、再びタイムサイクルにまたがった。心臓はまだ高鳴っていたが、その鼓動は確かな勇気とつながっていた。

 ――未来は、美しさと同時に、脆さを抱えている。

 その記憶を胸に刻み、ふたりは光の粒子に包まれ、次なる時空の旅へと漕ぎ出していった。

次回は時空の交差点へタイムジャンプ!

果たしてアキとヒロは無事に進めるのか…?

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📢次回予告:『タイムレース』

アキとヒロが次に向かったのは、時空の交差点。そこでアキとヒロは【時空タイムレース】に参加することに!そこには思いもよらぬ結末が待ちかまえていた――。

前の記事はこちらからまとめて読めます https://cycling-storyz.com/timecycle-link/

#タイムサイクル #次回予告 #タイムトラベル

※この物語はフィクションです。AI(ChatGPT)の支援をもとに執筆・編集されています。

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