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タイムサイクル 第6話

タイムサイクル

アキとヒロのタイムトラベルアドベンチャーへようこそ!

本シリーズ『タイムサイクル』では、ロードバイクで時空を旅する姉弟が、過去・未来・異世界を駆け巡ります。

第6話では、アキとヒロが“時空の交差点”を舞台にレースを繰り広げます。

それでは本編をどうぞ!

タイムレース

時空の交差点に降り立つふたり

 まばゆい光が収まったとき、アキとヒロの前に広がっていたのは、これまで見たどの時代とも違う奇妙な空間だった。

 左右を見渡せば、古代の神殿の石柱が立ち並ぶ一角のすぐ隣に、近未来のガラス都市がそびえ立ち、その向こうでは中世の城壁が霞んで見える。空には優雅に飛ぶ飛行船と、羽音ひとつ立てずに飛び交うドローンが混ざり合い、地上では馬車とホバーカーが同じ道路を走っていた。

「ここ……“時空の交差点”って感じだね」
「なんか、時間旅行者が集まる場所っぽい……」

 アキはワクワクした目で辺りを眺め、ヒロは不安そうにハンドルを握りしめた。

伝説のレースへの招待状

 突然、空に浮かぶ巨大スクリーンが点灯し、光の文字が映し出された。

《全時代合同!伝説のスポーツSFイベント、【時空タイムレース】まもなく開催! 時を駆ける者よ、己の“スピード”を証明せよ!》

「え、ちょっとアキ姉……これ、出るってこと!?」
「出るよ!こんな面白そうなレース、見逃すわけないでしょ!」

 タイムサイクルのディスプレイに“出場登録完了”の文字が浮かび上がり、バイクが自動でタイムギアモードに切り替わる。ギアを回すたびに空間が微かに歪み、時代の層が揺らめくような感覚が全身を包んだ。

ライバルたちとの邂逅

スタートラインに立つと、そこには時代も文化も越えたレーサーたちが並んでいた。

 甲冑に身を包み、槍を背負ったまま頑丈な木製の自転車に跨る中世の騎士。蒸気機関で黒煙を吐きながら走るヴィクトリア時代の鉄製バイク。反対側には、シルバーに輝く流線形のAI搭載バイクに乗る未来の少年。

 そして観客席には、時代ごとの人々が入り混じっていた。古代ローマの衣装の観衆が歓声を上げ、江戸時代の商人が旗を振り、未来服の人々がホログラム応援を飛ばしている。

「すごい……ほんとに“時代”が全部混ざってる……」
「ヒロ、緊張してる暇はないよ。勝負は始まる!」

時代を駆け抜けるコース

《5…4…3…2…1…GO!》

 スタートの合図と同時に、コース全体が光に包まれ、景色が一変する。

 最初は古代ローマの石畳。硬い路面にタイヤが弾かれ、激しい振動が腕に伝わる。次の瞬間には江戸の土道へ切り替わり、舞い上がる砂埃の中を走り抜ける。さらに昭和の商店街に切り替わり、両脇の屋台からは焼きそばやラムネの匂いが漂ってきた。

「うわ、今どこ走ってんの!? 宙、浮いてるよ!!」

 ヒロの叫び声と同時に、コースが重力のない宇宙空間へと変わる。足元からふわりと浮き上がり、ペダルを踏むたびに体が宙を跳ねる。アキは必死に声を張り上げた。

「体勢崩さないで! タイムサイクルは時間に合わせて自動で調整してくれる!」

立ちはだかるAIレーサー・クロノゼロ

レース中盤、暗い裂け目のようなタイムトンネルを抜けた先で、ひときわ異質な存在が現れた。

 漆黒の車体、無人のハンドル。未来企業が開発した自律型AIレーサー――クロノ・ゼロ

 そいつは人間では反応できないほどの速度でタイムギアゾーンを突き抜け、瞬時に最短ルートを選択する。観客席からどよめきが起こり、ライバルたちが次々と追い抜かれていく。

「……あれが、噂のクロノ・ゼロか」

 アキは目を細め、ヒロはごくりと唾を飲んだ。

人間の走りで挑む

 クロノ・ゼロは感情のない正確さで突き進む。冷徹な速さに、アキは歯を食いしばった。

「スピードだけなら負けてる。でも“走りたい”気持ちなら、絶対にこっちが上!」

 ふたりは呼吸を合わせた。アキが前に出て風よけとなり、ヒロが後ろにつく。しばらくして今度はヒロが前に出る。交互にドラフティングを繰り返しながら、互いのタイムギア操作を絶妙に組み合わせた。

 空間がねじれ、時代がランダムに切り替わる中、ふたりはまるでひとつの生き物のように走った。

光のフィニッシュライン

最後の直線。クロノ・ゼロとアキ&ヒロが並ぶ。

「今だっ!」

 ヒロの叫びと同時に、アキはギアを限界まで回した。タイムサイクルがまばゆい光をまとい、ふたりは時空の裂け目を突き抜ける。

《フィニッシュ!》

 観客席から爆発のような歓声が沸き上がった。

「やった……! 勝った、のかな?」
「タイムは僅差。でも、人間らしい走りってやつが、AIに勝ったってことだよ」

新たなキー「クロノギア」

 表彰式でアキとヒロに渡されたのは、優勝の証であるクロノギア

 それはただのトロフィーではなかった。次元と次元をつなぐ特別なキー――新たな冒険の扉を開くものだった。

「これで、またどこへでも行ける……!」

 ふたりは互いに笑みを交わし、再びタイムサイクルにまたがる。

「次の冒険も、全力で駆け抜けよう!」

 ギアが回転し、光の粒子がふたりを包み込む。こうして、新たな時空の旅が始まった。


📢次回予告

2人がパラレルワールドで出会ったのは、 「もう一人のアキとヒロ」 だった。
しかし、パラレルワールドの「アキとヒロ」は、こっちの世界の2人とはどこか様子が違っていた。

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#タイムサイクル #次回予告 #タイムトラベル

※この物語はフィクションです。AI(ChatGPT)の支援をもとに執筆・編集されています。

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